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1994 年度 実績報告書

脳血管調節機構におけるNOの役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 06670666
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

天野 隆弘  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90118901)

研究分担者 後藤 淳  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245481)
キーワード脳循環自動調節 / Nitric Oxide / 化学的調節 / 神経性調節 / L-NMMA
研究概要

はじめに:本研究ではNitric Oxide(NO)自動調節への関与の有無を明らかにする。その第一歩として脳自動調節に関与する頚部交感神経節からの脳血管支配とNOとの相互作用を検討した。一方、化学的調節機序はL-NAME投与で障害されたとする報告も多い。そこでL-NAME投与時のCO2反応性についても検討した。
方法:実験にはネコを使用し、麻酔後呼吸は調節呼吸とした。頭窓法とビデオカメラ法でネコ脳表の血管口径を連続記録した。一部の症例では脳血液含量(CBV)を連続記録した。
結果:1、交感神経系とNOについて:上頚部交感神経節(SCG)を露出し電気刺激(8V,10Hzで3分間)して脳表血管口径を収縮。1)コントロール群(6匹):SCG刺激を30分間隔で2回行った。2)L-NMMA脳表潅流群(8匹):第二回目刺激の10分前よりL-NMMA(10-3M)を脳表潅流しながら第二回目のSCG刺激を行いコントロール群と比較した。L-NMMA脳表潅流群では、第二回刺激開始3分で有意(p<0.05)な収縮を認めたが、第1回ならびにコントロール群と比較して収縮反応に有意差を認めなかった。2、炭酸ガス反応性とNO:10%CO2を3分間吸入によるCO2反応性をL-NAME(3mg/Kg/min)60分股静脈に連続注入して開始15分、60分でCO2反応性を検討した。CO2反応性(血管の拡張率%/CO2の上昇率 mmHg)は、15分までは保たれていた。60分では一部障害されていたがいずれも動脈がすでに拡張しておりNO抑制以外の作用があると考えられた。これを除けば、CO2による血管拡張、CBV上昇ともに障害されていなかった.
まとめ:今回の検討では、脳表血管外膜側からのL-NMMA投与でNitric Oxide生成を抑制しても、猫上頚部交感神経節刺激による収縮反応は影響を受けなかった。またL-NAME投与によっても脳血管のCO2反応性は障害されていない。今後は脱血,血液再注入による血圧変動時の自動調節にNOが関与しているかの検討を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] TAMANO: "Nitric Oxide(NO) and Sympathetic Vasoconstriction" Stroke. 26. 179 (1995)

  • [文献書誌] 天野 隆弘: "微小循環のCO_2反応性" 現代医療. 26. 1033-1038 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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