Ratの培養神経細胞を使用し、β amyloid proteinの神経細胞・神経線維に対する影響を確認することを本研究の目的とする。その評価方法として形態学的評価に加え、β amyloid proteinに対する抗体を用い酵素抗体法により細胞内に流入したβ amyloid proteinを染色し検出する。また、ミトコンドリア機能(MMT)や蛋白量(SRB)を測定する事により定量的に評価する事を目的として本実験を行った。更に、β amyloid proteinにより変化した細胞内のDNA fragmentationをTUNEL法により染色した。 初期培養3日目にβ amyloid proteinを0-1000μMの種々の濃度で培地に添加し、1週間培養した後、MTT assayおよびTUNEL法によるDNA fragmentationの染色を行った。MTT assayの結果では、200μMまでは用量依存的に、それ以上の高濃度では同程度のmitochondria機能障害を認めた。この変化は、neuronおよびC6 glioma cellのいずれでも認められた。また、TUNEL法によるDNA fragmentationの検討では、用量依存的にTUNEL陽性細胞の出現を認めた。 結果として、β amyloid proteinは、neuronおよびC6 gliomaのいずれに対しても、mitochondria機能障害、DNA fragmentationを惹起する事が示唆された。
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