研究課題/領域番号 |
06670682
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
塚原 俊文 国立精神・神経センター, 神経研究所, 研究員 (60207339)
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研究分担者 |
古城 徹 自治医科大学, 神経内科, 助手 (90215260)
荒畑 喜一 国立精神, 神経センター・神経研究所, 部長 (30053325)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 筋緊張性ジストロフィー / ミオトニンキナーゼ / 融合蛋白質 / 特異抗体 / ウエスタンブロット / CTGリピート |
研究概要 |
これまで、筋緊張性ジストロフィー(MD)原因遺伝子産物であるミオトニンキナーゼについては、MD患者での本酵素の増加および減少という反対の結果が報告されていた。我々はいずれが正しいのか明らかにするために、ミオトニンキナーゼの融合蛋白質やペプチドに対する特異抗体を作成した。MD患者骨格筋を用いてこれら抗体でウエスタンブロットしたところ、他の筋疾患群と比べ53Kの蛋白質が約半分に減少していることがわかった。この抗体は心筋では62Kの、脳では53Kおよび62Kの蛋白質を認識し、これまでのノーザンブロットの結果とあわせミオトニンキナーゼには組織特異的なアイソフォームが存在することが明らかとなった。このミオトニンキナーゼタンパク質量はMD患者において(CTG)の延長度と負の相関を示していた。この結果は、(CTG)延長に伴うミオトニンキナーゼ量の減少がMD症例の重症度と相関しているからを示唆しており、MDの病態にミオトニンキナーゼが深く関与していることが明らかとなった。 また、(CTG)nの延長の機構解明のため、MD患者骨格筋由来の細胞の長期経代培養を行った。約1年の経代中に(CTG)nの変化は見られず、体細胞レベルでの(CTG)nのヘテロジェネイティーは少なくとも発症以前に生じていると考えられた。 我々の作成した融合蛋白質はミオトニンキナーゼの大部分をカバーしているため、要請にこたえて海外にも譲渡し、国際的にも貢献できた。
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