• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

心筋細胞内カルシウム安定剤のスクリーニングとその強心作用、抗不整脈の検討

研究課題

研究課題/領域番号 06670687
研究機関東北大学

研究代表者

石出 信正  東北大学, 医学部, 助教授 (40124549)

キーワードカルシウム / 心不全 / 不整脈 / 心筋 / 興奮-収縮連関
研究概要

我々は、傷害された心筋では細胞内のCaイオン過剰が生じ、細胞内にCaイオン濃度の振動現象が起ることを観察してきた。このカルシウム振動は、筋小胞体からのCaイオン漏出によって生じ、心筋の収縮能低下、弛緩傷害、不整脈発生の原因となる。そこで我々は、筋小胞体からのCaイオン放出を抑制しCa振動を防止する可能性のある薬剤を細胞内カルシウム安定剤と名付け、具体的な薬剤のスクリーニングをおこなった。当初、計画書に記載の如くリアノジン、KT362を試みた。しかし、薬理学的濃度において陰性変力作用が強く、これらの薬剤は実用性なしと判定した。次に悪性高熱の治療に用いられているダントリウム(以下Dと略す)について検討した。その結果、1)ハムスター摘出灌流心において生理的濃度のカルシウム濃度(2mM)の灌流下では、臨床に使用されている濃度のDは軽度の陰性変力を示したが、4mM以上のカルシウム負荷によって生じた収縮力低下を改善する効果がみられた。また、カルシウム負荷による静止期張力の増加を半減させ、後収縮の発生を抑制した。2)ハムスター左心室より単離した心筋細胞においてDはカルシウム振動を抑制した。これらの結果からDは心筋細胞内カルシウム安定剤として有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 石出信正: "不全心筋における細胞内Caの制御異常" 心臓. 26. 5-15 (1994)

  • [文献書誌] 石出信正: "細胞レベルからみた収縮・弛緩の成り立ちとその規定因子" 循環器科. 35. 355-359 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi