研究概要 |
不全心及び肥大心における心筋エネルギー効率に関する研究 1.不全心における心筋エネルギー効率 拡張型心筋症23例を対象として、左室圧-容積関係を求めた。 左室容積をコンダクタンス・カテーテルを用いて測定した。冠血流量及び冠動静脈酸素較差をWebsterカテーテルを用いて測定し、心筋酸素消費量を求めた。対象の左室-動脈連関は3.24±0.28であった。対象の機械的エネルギー効率は著しく低下していた。不全心における左室-動脈関連は、至適状態から著しく偏位しており、また、機械的エネルギー効率の低下も著明であった。dobutamineあるいは新しく開発されたphosphodiesterase阻害作用を有する強心薬の投与により、左室-動脈連関及び機械的エネルギー効率は改善するものの、至適状態とはいえなかった(J Am Coll Cardiol 23:406-416;1994,Cardiovasc Drug Rev 10(4):425-445,1992,Eur Heart J suppl.15:25;1994,Eur Heart J suppl.15:410;1994,Circulation 88(4-2):I-219;1993)。 不全心において、運動中の左室心筋及び局所心筋エネルギー効率の変化については、現在解析中である。 2.肥大心における心筋エネルギー効率 非閉塞性肥大型心筋症を対象として、安静及び運動時の左室心筋及び局所心筋エネルギー効率について検討しており、平成7年度中に論文発表が可能である。
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