平成6年度では慢性圧負荷肥大心の作成が主たるテーマであった。 当初の平成6年度計画は、『雑種成犬15頭を麻酔下で左賢動脈をクリップで6カ月狭窄し、賢性高血圧を作成する。雑種成犬8頭にshamoperationを行い、コントロールとする。ついで、同時に開胸して2対の超音波クリスタルを心筋内層と心筋外層に取り付け、この変化より局所心筋収縮、拡張機能の指標とする。左心房内に冠皿流量測定のためのマイクロスフェア一注入用のチューブと、高速ペーシングのための電極を取り付け、左室内に圧測定用のマイクロトランスジューサ-(Konisberg社製)を挿入する』というものであった。 しかし、計10頭に対し、一側の腎摘出および左賢動脈血流量をクリップにて約1/3に狭窄させて賢性高血圧を作成したが、数日後に賢不全のため死亡することが多いことが明らかになった。このため、両側の腎をsilkで覆って作成するperinephritisによる高血圧の作成に計画を変更した。この方法により、現在、計10頭の雑種成犬に高血圧を作成中である。また、雑種成犬4頭にshamoperationを行い、コントロールとし、これに開胸して超音波クリスタルを各心筋層に取り付ける作業を行っているところである。また、平成7年度の肥大心筋における冠血流量測定、成長因子の投与についても検討を進めつつある。
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