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1995 年度 実績報告書

筋細胞分化抑制因子Id制御による血管形成術後の冠動脈再狭窄予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 06670716
研究機関大阪大学

研究代表者

星田 四郎  大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)

研究分担者 多田 道彦  大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
大津 欣也  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
西田 昌司  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
葛谷 恒彦  大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
キーワード冠血管形成術 / 冠血管再狭窄 / 筋分化抑制因子Id
研究概要

SD系雄性ラットの頚動脈障害モデルを作成し、Id発現、ならびに、組織学的変化を3カ月間検討した。Id発現は、ラットを屠殺後、摘出した頚動脈組織よりRNAを抽出し、RT-PCR法によりmRNA発現を検出することにより検討した。Id発現に対するインターベンションとして、IdmRNAに対するAODNを投与しId発現抑制の効果を検討した。AODNの投与には、Pluronicゲルを用い、AODNを懸濁したゲルを剥離した頚動脈に血管外から投与し、血管を包埋することにより行った。血管壁におけるId発現は非障害側血管においては認められなかったが、障害側血管においては著明に亢進した。IdmRNA発現は、障害後1週間以内にピークに達し、以後減弱し、3カ月目にはほぼ消失した。また、健常側血管においては新生内膜の肥厚を認めなかったが、障害側血管においては著しい内膜肥厚を認め、障害2週間後において内膜厚は中膜厚の1.4倍に達した。以後、3カ月間の観察期間中に内膜厚の若干の減少を認めたが、有意な壁厚変化は認めなかった。Idに対するAODN投与群においては、AODNの投与量依存性に新生内膜肥厚の抑制が認められ、1mgの投与により、62%の有意な抑制効果を示した。対照とした用いたセンスヌクレオチドにおいては、同様の抑制効果を認めなかった。in vivoのラット頚動脈障害モデルにおいても、細胞増殖を促すヘリックス-ループ-ヘリックス型の転写因子Idの発現が平滑筋細胞の分裂による新生内膜形成が盛んな時期に一致して認められることより、Id発現が内膜肥厚と強く関連することが窺われる。AODN投与によりId発現を抑制すると、障害血管における新生内膜肥厚が抑制されたことより、in vivoにおいても、Id発現の増加が、直接、内膜肥厚の成因の一つとなっていることが推測される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hoshida S,et al.: "Nitric oxide synthase protects the heart against ischemia-reperfusion injury in rabbits." J.Pharmacol.Exp.Ther.274. 413-418 (1995)

  • [文献書誌] Hoshida S,et al.: "Amelioration of severity of myocardial injury by a nitric oxide donor in rabbits fed a cholesterol-rich diet." J.Am.Coll.Cardiol.(in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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