• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

血管平滑筋細胞における誘導型NO合成酵素の発現制御機構とその病態

研究課題

研究課題/領域番号 06670720
研究機関神戸大学

研究代表者

川原 康洋  神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (80169755)

研究分担者 谷口 隆弘  神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20263379)
川嶋 成乃亮  神戸大学, 医学部, 助手 (10177678)
キーワード一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 血管平滑筋細胞 / サイトカイン / アルギニン / 血管作動物質
研究概要

近年、血管平滑筋細胞がインターリュウキン1、腫瘍壊死因子αなどのサイトカインに反応してNOを産生することやin vivoにおいてバルーンカテーテルによる血管障害によっても血管平滑筋細胞のNO産生が引き起こされることが示されている。私共は血管平滑筋細胞におけるNO産生の制御機構の研究を行い以下の成果を収めた。1.炎症性サイトカインは誘導型NO合成酵素の遺伝子発現を促進してNO産生を引き起こす。2.プロスタグランデインI2やE1などの血管弛緩物質はサイクリックAMPの産生を介してサイトカインによる誘導型NO合成酵素の発現とNO産生を相乗的に促進する。3.アンジオテンシンIIやバゾプレッシンなどの血管収縮物質はCキナーゼの活性化を介してサイトカインによる誘導型NO合成酵素の発現とNO産生を抑制する。4.トランスフォーミング成長因子βは遺伝子転写以降の段階でサイトカインによる誘導型NO合成酵素の発現を抑制する。5.血管平滑筋細胞におけるNO産生は細胞膜のアルギニントランスポーターを介する細胞外からのアルギニンの取り込みに依存するが、サイトカイン刺激によりアルギニントランスポーターの発現が誘導されてアルギニンの取り込みも促進される。6.アルギニンは細胞内でシトリルリンよりアルギノコハク酸合成酵素及びアルギノコハク酸リアーゼの作用によりアルギノコハク酸を経て合成されるが、炎症性サイトカインはアルギノコハク酸合成酵素の発現を促進してシトリルリンからアルギニンへの合成経路を誘導し、細胞外のシトルリンを利用したNO産生を引き起こす。7.サイトカインによるアルギノコハク酸合成酵素の発現はサイクリックAMPにより相乗的に促進される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ichiro Nakayama: "Angiotensin IIinhibits cytokine‐stimulated inducible nitric oxide synthase expression in vascular smooth muscle cells" J Biol Chem. 269. 11628-11633 (1994)

  • [文献書誌] Masanobu koide: "Expression of nitric oxide synthase by cytokines in vasculae smooth cells" Hipertension. 23. I‐45-I‐48 (1994)

  • [文献書誌] Takayuki shindo: "Nitric oxide synthesis in rat cardiac myocytes and fibroblasts" Life Sci. 55. 1101-1108 (1994)

  • [文献書誌] Ichiro Nakayama: "AngiotensinIItype 1 receptor‐mediated inhibition of cytokine‐stimulated inducible nitric oxide synthase expression in vascular smooth muscle cells" Blood Pressure. 3. 32-37 (1994)

  • [文献書誌] Ichiro Nakayama: "Cyclic AMP elevating agents synergize with inflammatory cytokines to induce an inducible type of nitric oxide synthase in cultured vascular smooth muscle cells" Annals New York Academy of Sciences. 748. 586-589 (1995)

  • [文献書誌] 川原康洋: "血管平滑筋細胞における誘導型NO合成酵素の発現調節" 血管. 17. 155-160 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi