• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

心臓におけるV型コラーゲンの局在、および病態的変化の意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670723
研究機関島根医科大学

研究代表者

盛岡 茂文  島根医科大学, 医学部, 助教授 (00157877)

研究分担者 田中 光一  島根医科大学, 医学部, 助手 (00252924)
本田 正明  島根医科大学, 医学部, 講師 (90127530)
キーワードCollagen / Type V Collagen / Localization / Heart
研究概要

細胞外マトリックスとしてのコラーゲンは単なる支持組織としてだけではなく、細胞の接着、分化、増殖、および細胞機能に重要な影響を及ぼすことが明らかになりつつある。心臓には6種類のコラーゲンが存在し、種々の病態で変化することが報告されているが、未だV型コラーゲンの正確な局在、その遺伝子発現、および機能は不明である。本研究でV型コラーゲンの心臓における局在を免疫組織学的、免疫生化学的、分子生物学的に解析し、さらにその機能を検討した。2種類のV型コラーゲンに対するモノクローナル抗体を用いて検討した結果、V型コラーゲンは心筋細胞内に存在した。正常心では心外膜側の心筋細胞内に、圧負荷肥大心では心内膜側の心筋細胞内にも存在した。心筋細胞を分離後、免疫生化学的に検討した結果、単離心筋細胞よりV型コラーゲン分子を分離できた。V型コラーゲンの機能をラット新生児より分離した、心筋細胞、線維芽細胞を用いて検討した結果、I+III型コラーゲンゲル上では、心筋細胞の蛋白代謝が亢進し、線維芽細胞の増殖、3H-prolineの取り組みは増大した。一方、I+III型コラーゲンゲルにV型コラーゲンを種々の濃度混在させると、心筋細胞の蛋白代謝、心筋線維芽細胞の増殖、3H-prolineの取り込み、いずれも用量依存度に抑制された。
我々はこれまで圧負荷肥大心においてV型コラーゲンが増加することを報告してきたが、これらの結果を総合して考察すると、V型コラーゲンは肥大心において蛋白代謝をフィードバック抑制している可能性が示唆される。なお、V型コラーゲンが間質に存在しないことについては、V型コラーゲンは細胞外に分泌された場合に、V型コラーゲンに対するモノクローナル抗体により認識されるエビト-ブが修飾されるためではないかと推察する。V型コラーゲンが合成された後も、心筋細胞内に存在する原因、機序、病態生理学的意義は今後の検討を要す。

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi