研究課題/領域番号 |
06670727
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢永 尚士 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80038702)
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研究分担者 |
熊埜御堂 彰子 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
野崎 雅彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60253530)
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キーワード | 心拍変動 / スペクトル解析 / 心不全 / 交感神経活動 / 精神性発汗 / ホルター心電図 |
研究概要 |
「1」対象は拡張型心筋症(3名)および陳旧性心筋梗塞(3名)の心不患者6名に対しホルター心電図の検査(日本光電社製)を行った。平均年齢は56.8歳であり、超音波検査にて左室拡張期経55mm以上、左室駆室率50%以下であった。また、対照として同齢の健康人4人について同様の検査を行った。ホルター心電図を分析し,以下に示す心拍変動の分析を行った。[1]24時間の平均RR変動の標準偏差(SD値)[2]5分間のR-R間隔の標偏差(SDindex)(SD値)[3]R-R間隔の変動が50msec以上を占める割合(RR50)について分析した。現在の所、症例数が少ないため明らかなことは言えないがSD値、SDindexは低下を認めた。一方、RR50は心不全群が対照群より減少傾向を認めた。また、[4]心拍変動の評価のため2分毎のFourier変換(0.0083Hz)にてスペクトル解析し、low frequency area(0.04-0.15Hz)high frequency area(0.15-0.4Hz)を計測した。心不全群はhigh frequency areaの減少を認めた。現在、心不全患者にアンジオテンシン変換酵素阻害剤の投与を試み上記[1]-[4]についてアンジオテンシン変換酵素阻害剤の投与前と投与後(3、6カ月後)の比較を検討している。 「2」交感神経活動がその効果器である心臓において不整脈の発生に影響することから、右室ペーシング中の交感神経活動を精神性発汗記録法を用いて評価した。発汗はペーシング度に依存すて生じ、この発汗検査により交感神経賦活化を観察することが出来た。精神性発汗記録法の日内変動について検討したところ、正常人では午前中にのみ増加を認めたが、心不全患者では正常人に比べ増加傾向を示した。現在精神発汗と心拍変動性について検討を行っている。
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