研究概要 |
経皮的冠動脈形成術後の再狭窄予防法を開発することを目的として、その主原因と考えられている内膜肥厚を引き起こす平滑筋細胞の活性化機序を解明しようと試みた。そこでまず平滑筋細胞の活性化に際し核内転写制御因子(c-myc,NFkB,RB,P53)の発現、動態を検討した。 1.モデル作製 ラビットの大腿動脈よりembolectomy catheterを挿入し、大動脈の内膜をballoonにより3回剥離する。術後3-5日より平滑筋細胞の遊走、増殖による新生内膜肥厚が認められることが確認でき、内膜肥厚のモデルが確立された。 2.転写制御因子の免疫組織染色 balloonによる大動脈内膜傷害後24時間、2週後の動脈組織標本に対し免疫組織染色を行ったが、平滑筋細胞においてc-myc,NFkBの染色性増強を認めた。RB,P53については、現在引き続き検討中である。 3.転写制御因子の遺伝子発現 balloonによる大動脈内膜傷害後24時間の中膜におけるmessengerRNA(mRNA)の発現をnorthem blotting法にて検討した。大動脈内膜傷害後24時間の中膜におけるc-myc,NFkBのmRNAは、傷害されていない中膜に比べ発現が増強していた。RB,P53については、現在引き続き検討中である。
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