研究概要 |
平成6年度に予定していた研究計画は、ほぼ達成でき、十分な成果を得ることが出来た.すなわち、 (1)IL-6がラット大動脈輪状標本の収縮反応を抑制し、その機序に、prostacyclin-cAMP系が関与することを明らかにした(Am J Physiol 266;H898-H902,1994). (2)血管収縮反応におよぼす各種炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-2,ILI-6,ILI-8)の作用をラット培養血管平滑筋細胞を用いて検討したところ、IL-1β、については一酸化窒素(NO)-cGMPが関与し、IL-6ではprostacyclin-cAMP系が関与することを明らかにした.一方、IL-2およびIL-8については共に影響を与えなかった(8th international symposium on SHR and related studies,Osaka,Japan,1994).さらに、IL-1βにおけるNO-cGMPの産生をNOが合成酵素(NOS)mRNAの発現レベルで検討し、チロシンキナーゼが深く関わっていることを明らかにした(67th scientific sessions of AHA,Dallas,1994). (3)ラット培養心筋細胞およびメサンジウム細胞において、IL-1βは、NOおよびcGMPの産生を増強し、TGF-βはこの作用を阻害することを報告した(Life Sciences 55,1101-1108,1994 & Cyotokine 6;602-607,1994).
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