研究課題/領域番号 |
06670743
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
谷 正人 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50163613)
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研究分担者 |
長谷川 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00237984)
新村 健 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70206332)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 心筋 / 虚血・再灌流 / preconditioning / aging / 再灌流傷害 / reperfusion injury |
研究概要 |
平成6年度は12週齢の若年ラットを用いて持続時間の異なる虚血と再灌流に対する心筋障害の程度、不整脈、sarcoplasmic reticulum(SR)機能、短時間虚血によるpreconditioning効果を検討した(Am J Physiol 268:(in press))。平成7年度は心筋虚血・再灌流傷害に対する感受性と短時間虚血によるpreconditioning効果に与える加齢の影響を検討するため、12週齢(若年群)にさらに50週齢(初老群)のラットの摘出灌流心を用いた。15分、20分または25分の完全虚血と30分間の再灌流を行ない、左室圧、同微分、心表面心電図を記録した。虚血前、虚血終了後、灌流実験終了後に心筋抽出液あるいはhomogenateを用いて心筋エネルギー代謝産物、電解質含量、SR機能を検討した。[結果]若年群、初老群間で虚血前の心筋エネルギー代謝産物、電解質含量、SR機能、新機能に差はなかった。しかし15分、20分または25分の完全虚血の左室発生圧、+dp/dt、-dp/dtの回復は初老群では若年群の30-50%で左室拡張期圧は著明に上昇し、心筋高エネルギー燐酸化合物の回復も50-60%であった。心室細動・頻拍の頻度も20分虚血後で、若年群の12.5%に対し初老群では50%と高率であった。短時間虚血により若年群では再灌流後の心機能の回復が30-50%改善され再灌流に伴う心室細動・頻拍の頻度も減少したのに対して初老群では短時間虚血によるpreconditioningは心機能改善・再灌流不整脈軽減の効果が観られなかった。若年群では短時間虚血を先行させると虚血終了時点におけるSRのCa^<2+>遊離チャネルの過剰な開口抑制が観られ細胞質における[Ca^<2+>]の上昇軽減が推測されたが、初老群では短時間虚血の先行によってもSRのCa^<2+>遊離チャネルの開口抑制は認められず、初老群のpreconditioning効果消失と対応していた。[結論]若年期に比べ初老期に既に心筋の虚血・再灌流傷害感受性は亢進しpreconditioning効果の消失が認められた。
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