研究課題/領域番号 |
06670746
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西川 俊郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50120019)
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研究分担者 |
石原 和明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30119888)
安藤 明子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90232090)
増田 昭博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60209434)
笠島 武 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30045653)
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キーワード | 肥大心筋 / 形質転換 / 細胞骨格 / 間質細胞 / 免疫組織学 / 分子生物学 |
研究概要 |
平成6年度は、実験的圧負荷心として、ラットの肺動脈絞約を行って得られた右室負荷心を用いて、心筋細胞の細胞骨格の免疫組織学的ならびに分子生物学的検討を行った。10週のウィスター・イマミチラットの肺動脈を絞約して、7日後に右心室圧の上昇を確認したのち心臓を摘出した。右心室重量は対照群に比べて有意に大きく、また組織学的にも、心筋細胞の有意な肥大が認められた。この心臓の心室水平断組織切片について、抗デスミン抗体、抗テュブリン抗体を用いて免疫組織染色を行ったところ、負荷のかかった右心室では、負荷のない左心室に比べてデスミンの染色性が明らかに強く、密であること、テュブリンの構築の変化が認められるなどの結果を得た。さらに、human desmin cDNAから作製したantisense/sense RNA probeを用いてin situ hybridization法により、心筋組織上のmRNAの分布を検討したところ、負荷のかかった右心室心筋で明らかな発現増加が認められた。また、cardiac α-actin、skeletal α-actinのmRNAの量的変化を、それぞれのcDNA probeを用いたnorthern blot法で分析し検討したところ、cardiac α-actin mRNAは負荷心と対照(sham op)群で右心室、左心室とも差がみられなかったが、skeletal α-actin mRNAは、負荷心右心室では対照群に比べて有意な増加(平均9倍)を認めた。左心室心筋ではskeletal α-actin mRNAはほとんど認められなかった。今後は、ヒト心疾患の心筋標本を用いて、同様の検討を行ない、さらに心筋間質の変化についても形質転換の有無などについて検討をすすめていく予定である。
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