研究概要 |
現在までに心筋内ヘモペキシンが直接刺激ではなくサイトカインにより発現誘導されることを明らかにした.心筋内におけるヘモペキシンのInterleukin-6応答性に注目し,現在は転写調節機構解析のための予備実験を行っている.同遺伝子のプロモータ領域を有する様々なCAT construct作製し,また心筋細胞に対する効率の良い遺伝子導入法を検討中である. 1)心筋初代培養細胞への遺伝子導入法の検討 リン酸カルシウム法,DEAEデキストラン法,リポフェクチン法,electroporation法などから最も効率の良い方法を選択し以下のCAT assayを行う. 2)CAT assayによるサイトカイン応答領域の同定. プロモーターとしてIL-6 responsive elementを有するヘモペキシン遺伝子を用いる.同遺伝子の5′ flamking region,さらにすでに肝細胞において同定したIL-6 responsive elementの機能解析を行い,組織特異性に関しても検討する. 最近,cardiotrophin Iというサイトカインが発見され,極めて強力な心筋細胞肥大作用を示すことが明らかとされた.本サイトカインの受容体はinterleukin-6受容体と一部構造を共有しており遺伝子ファミリーを構成している.こうした事実はinterleukin-6を含んだ一群のサイトカイン・ファミリーが心筋細胞に対し重要な役割を果たしていることを示唆しており,本研究の重要性がさらに増すものと考えられる.
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