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1995 年度 実績報告書

ホロカルボキシラーゼ合成酵素の遺伝子の単離とその発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670761
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 洋一  東北大学, 医学部, 助手 (80216457)

研究分担者 松原 洋一  東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
キーワードホロカルボキシラーゼ合成酵素 / ビオチン / 遺伝子座位 / 遺伝子クローニング / マルチプルカルボキシラーゼ欠損症
研究概要

我々はヒト・ホロカルボキシラーゼ合成酵素(HCS)遺伝子の構造解析を行うため、ヒト・HCScDNAをプローブとしてpWEX15ゲノミックライブラリーをスクリーニングし、26kbのインサートを含むクローンを単離した。このクローンのインサートをプローブとしてfluorescence in situ hybridizationを行うと、HCS遺伝子は21番染色体q22.1に局在することが推定された。この結果は、PCRを利用したヒト・ハムスター雑種細胞のDNAパネル解析の結果とも一致した。また、HCScDNAの111bpの断片をプローブとしたゲノムのサザン解析では、4種類の制限酵素消化で単一のバンドを示した。以上より、HCS遺伝子はハプロイドあたり1つで、偽遺伝子の存在は否定的であると結論した。単離したクローンをNotIで消化すると、インサートは12.5、9.4、9.5kbの3つの断片となった。それぞれをBg1II、EcoRI、HindIII、SpeIの制限酵素地図を作製した。エクソン・イントロンの同定は現在進行中である。
HCS遺伝子のヒトにおける異常として、一つのミスセンス変異と一塩基欠失が、日本人姉妹例で同定されていたが、我々は日本人の4家系のHCS異常症についてさらに解析を進め、この2種の変異が8アレル中7アレルを占めていることを見出した。
HCS異常症の診断法についても検討を行い、日本人においてはDNA診断法として、前述の2種の変異をPCRで検出する方法を開発した。また、大腸菌のアポカルボキシルキャリア蛋白を基質として放射性ビオチンのとり込みでHCS活性を測定する高感度アッセイ法の開発に成功した。これらの新しい診断法により、これまでより早く、正確なHCS異常症の診断が可能となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki, Y. et al.: "Isolation and characterization of mutations human holocarboxylase synthetase cDNA." Nature Genetics. 8. 122-128 (1994)

  • [文献書誌] Chiba, Y. et al.: "Purification and properties of bovine holocarboxylase synthetase" Archives of Biochemistry and Biophysics. 313. 8-14 (1994)

  • [文献書誌] Aoki, Y. et al.: "Molecular analysis of holocarboxylase synthetase deficiency : a missence mutation and single base delection are predominant in Japnases patients" Biochemica et Biophysica Acta. 1272. 168-174 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki, Y. et al.: "Enzymatic diagnosis of holocarboxylase synthetase deficiency using apocarboxyl carrier protein as a substrate" Clinica Chemica Acta. (in press).

  • [文献書誌] 鈴木洋一、他: "遺伝子病マニュアル" 中山書店, 4- (1995)

  • [文献書誌] 鈴木洋一、他: "図説分子病態学" 中外医学社, 4- (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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