研究概要 |
アトピー性皮膚炎があり,スクラッチテストで卵白に即時型の反応があり,RASTで3以上の卵アレルギーの乳児を対象として,その末梢血リンパ球をアレルゲンのオボムコイド,オボアルブミン,およびカンジダ,PHAを用いで刺激し、反応性を検討した。トリチウムチミヂンの取り込みでみると,PHAに対する反応よりも弱いながら,オボムコイド,オボアルブミンのいずれか,あるいは両者に反応を示した.サイトカインの産生でみるとIL-4の産生があり,IFN-γの産生は健康人に比べ低下していた.PHAでは,IL-4もIFN-γも産生がみられ,T細胞全体として反応が低下しているわけではないことが明らかであった. アレルゲンに反応した細胞について単一細胞レベルでサイトカインの産生パターンを解析し,反応した細胞の割合を算定しようと試みた.細胞内で作られたサイトカインの分泌を抑制するためにモネンシンを加えた.PHA刺激によるサイトカインの産生では,5〜35%の細胞に陽性像がみられたが,アレルゲン刺激による場合,染色はきわめて弱かった.適切な抗体を入手するか,in situ hybridizationによりmRNAを検出するかしなければならないと考えられる. また,それらの培養により,リミッティングダイリューション法によりクローニングを試みた。数週間の維持は可能であったが,クローンの分離には成功しなかった.細胞株の維持に適切な血清の選定が必要である.
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