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1995 年度 実績報告書

同種骨髄移植後の免疫学的再構築に関する研究-特にT細胞の膜抗原発現異常と活性化異常の解析-

研究課題

研究課題/領域番号 06670778
研究機関山梨医科大学

研究代表者

杉田 完爾  山梨医科大学, 医学部, 助手 (60138055)

研究分担者 飯島 純  山梨医科大学, 医学部, 医員
斎藤 みどり  山梨医科大学, 医学部, 助手 (20170532)
キーワード同種骨髄移植 / 免疫学的再構築 / T細胞
研究概要

同種骨髄移植(allogeneic bone marrow transplantation,allo-BMT)は、各種の悪性腫瘍特に白血病の根治的治療法として注目されているが、BMT後の日和見感染症(oppotunistic infection,OI)と移植片宿主病(graft-versus-host disease,GVHD)の制御が重要な課題である。Allo-BMTの際に輸注されるドナー単核球に含まれるT細胞系幹細胞は患者の萎縮胸腺や胸腺外組織で分化・成熟せざるをえないためT細胞の分化障害によって引き起こされたT細胞機能異常の遷延がOIの重要な誘因であると考えられる。一方、GVHD(特に急性GVHD)のエフェクター細胞は輸注されたドナー単核球に含まれる成熟T細胞と考えられる。本研究では、allo-BMT後に再構築されるT細胞の各種膜抗原と活性化経路を経時的に検討することによって、allo-BMT後のT細胞機能異常の病態とGVHDに直接関与しているT細胞サブセットとその主要活性化経路を明らかにすることを目的とした。
平成7年度に検討しえたallo-BMT症例は6例であるが、移植後のリンパ球におけるCD2,CD3,CD4,CD8の再構築については一定の傾向が認められた。すなわち、CD2は1ケ月以内、CD3は3ケ月以内、CD8は6ケ月以内にほぼ正常化するが、CD4(特にCD45RA_+サブセット)の回復は長期間遷延し、CD4/CD8比<1.0が1年以上持続した。T細胞の活性化経路のうち、CD28経路が他の経路に比し早期に回復する傾向を認めた。また、GVHDを発症した症例ではリンパ球の主要接着分子LFA-1とVLAβ鎖(CD29)の発現が増強していた。allo-BMT後の主要なT細胞抗原の再構築については、ほぼ明らかになってきたと考えている。GVHDの発症と深く関係していると考えられるT細胞の活性化経路についてはCD28経路の重要性、GVHDに関与しているT細胞上分子については接着分子の重要性に焦点をあてて、今後も検討を続けていく必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sugita K: "Phenotype and reconstitution of immunoregulatory T cell subsets after T cell depleted allogeneic and autologous bone marrow transplantation." Transplantation. 57. 1465-1473 (1994)

  • [文献書誌] Sugita K: "Prolonged impairment of very late activating antigen-mediated T cell proliferation via the CD3 pathway after T cell-depleted allogeneic bone marrow tansplantation." J Clin Invest. 94. 481-488 (1994)

  • [文献書誌] 杉田完爾: "抗リン酸化チロシン抗体を用いたPh1陽性急性リンパ性白血病の診断" 医学のあゆみ. 170. 966-968 (1994)

  • [文献書誌] 杉田完爾: "小児血液・悪性腫瘍疾患に伴う重症感染症に対するImipenem/Cilastatin sodiumとAmikacin sulfateの併用投与-第一選択薬としての臨床検討-" 小児科臨床. 48. 2395-2399 (1995)

  • [文献書誌] Inukai T: "Expression of geanulocute colony-stimulating factor receptor on CD10-positive human B-cell precursor." Brit J Haematol. 89. 623-626 (1995)

  • [文献書誌] Mori T: "A novel monoclonal antibody, KOR-SA3544 which reactes to Philadephia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia cells with high sensitivity." Leukemia. 9. 1233-1239 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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