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1994 年度 実績報告書

重症複合免疫不全症の分子生物学的診断・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06670783
研究機関名古屋大学

研究代表者

柘植 郁哉  名古屋大学, 医学部, 助手 (00231431)

キーワード重症複合免疫不全症 / 遺伝子診断法 / 遺伝子治療法
研究概要

重症複合免疫不全症(SCID)の主要な病型の内、伴性遺伝型SCID(X-SCID)の病因がIL-2Rγ鎖遺伝子異常であることが近年証明された。X-SCIDでは通常T細胞は欠損するがB細胞は正常数存在することが多く、SCID with B cellの病型を示す。しかしながら、SCID with B cellの女性例も知られており、SCID with B cellが必ずしもIL-2Rγ鎖遺伝子異常を意味するとは限らないと考えられる。本年度は6例のSCID with Bcell男児のIL-2Rγ鎖遺伝子を解析して以下の知見を得た。
6例中1例はcDNAおよびゲノム断片をプローブに用いたサザン法、ノザン法でバンドが検出されず本遺伝子領域の大きな欠失が考えられた。
1例はコドン83のチロシンが終止コドンに変異していた。本症例の家系を、変異に特異的なプライマーを用いたPCRにより解析したところ、家族歴より保因者であることが明らかな3女性以外に患者の妹も保因者であることが判明した。
他の3例は各々コドン44,92,204のミスセンス変異であった。これらの部位はサイトカインレセプターファミリーに共通してみられ機能発現に必須と考えられる、conserved cystein,WSXWS motifに近接する部位であり、発症の原因と考えられた。また、内1例では変異により新たな制限酵素AluI切断部位が出現するためこれを用いて家系分析を行い、変異と発症が連鎖することを確認した。
残る1例は、B細胞における遺伝子発現が正常者と差が認められず、かつcDNAおよびエクソン-イントロン接合部の塩基配列に変異が認められないため、IL-2Rγ鎖遺伝子以外の異常が考えられ、SCID with B cellの病因の多様性を示唆するものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Abe: "Evidence for defects in V(D)J rearrangements in patients with severe combined immunodeficiency" Journal of Immundogy. 152. 5504-5513 (1994)

  • [文献書誌] 柘植郁哉: "免疫不全症候群に対するHLA適合者からの骨髄移植" 小児科診療. 57. 1078-1082 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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