研究概要 |
本研究で行う、13,18,21トリソミ-モザイクの検討のために、それぞれの各染色体およびinternal controlとするX,Y染色体特異的プローブ毎に、最も効率の良いHybridizationの時間、温度、洗浄の温度などを決定した。また、直接FISH法にて、良好なHybridization結果が得られるに必要なスライドの前処理法の確立、免疫学的シグナル増強法の条件を確立した。さらに、多色FISH法を応用し、常染色体プローブと性染色体プローブを同時にHybridizeし、精度を向上させることにも成功した。染色体分析にて正常と判明した症例において、直接法によるFISH分析を各プローブ毎に行い、正常細胞におけるシグナル数の分布を確認した。正常細胞とトリソミ-細胞を混合し、人為的に種々のパーセントのトリソミ-モザイクを作成し、シグナル数の分布を確認した。 本研究にて、使用する13,18,21,X,Y染色体プローブそれぞれにおいて、培養羊水細胞のみならず直接法においても分析可能なFISH法の実験条件を決定することができた。これは、今後の本研究にとって非常に有意義なものである。また、多色FISH法を応用し、常染色体プローブと性染色体プローブを同時にHybridizeし、精度の向上をはかることが可能であった。このことは、性染色体異常症の同時診断への可能性を示唆するものであり、本研究の妥当性が評価される。また、人為的に作成した種々のパーセントのトリソミ-モザイクでシグナル数の分布を検討したことは、今後の研究の基礎的なデータとして有用である。
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