小児気管支喘息発作時、非発作時のII-2添加末梢血単核球IFN-γ値、血清コルチゾール値を測定し、喘息発作と内因性コルチゾール、末梢血単核球IFN-γ産生能の関係について検討した。 その結果、(1)喘息発作時血清コルチゾール値は午前採血群、午後採血群ともに発作の程度が強くなるほど高値を示した。(2)喘息発作時血清コルチゾール値は午前採血群、午後採血群ともに非発作時よりも有意に高値を示した。(3)同一症例の検討でも喘息発作時血清コルチゾール値は非発作時よりも有意に高値を示した。(4)in vitroでコルチゾールはdose dependentに末梢血単核球IFN-γ産生を抑制した。(5)喘息発作時IL-2添加末梢血単核球IFN-γ産生は発作の程度が強くなるほど低値を示した。(6)喘息発作時IL-2添加末梢血単核球IFN-γ産生は非発作時よりも有意に低値を示した。(7)同一症例の検討でも喘息発作時IL-2添加末梢血単核球IFN-γ産生は非発作時よりも有意に低値を示した。 以上のことから喘息発作時では非発作時と比較して内因性コルチゾール値が上昇し、末梢血単核球IFN-γ産生は低下していることが明らかになった。コルチゾールはIFN-γ産生能を抑制すると言われているが喘息発作時の末梢血単核球IFN-γ産生低下の一因として発作時の内因性コルチゾール値の上昇が考えられた。 またin vitroでコルチゾールはIFN-γと同様に末梢血単核球IL-4、IL-2産生をdose dependentに抑制した。今後IFN-γ、IL-4、IL-2、IL-5を同時に測定できるConA添加の系でアトピー性皮膚炎児(ステロイド外用剤使用有無別、海洋深層水使用例)、気管支喘息児(喘息発作有無別)を対象に上記4種のサイトカインを測定し、小児のアレルギー性疾患に重要なIgE産生の制御、ステロイド剤及び海洋深層水が免疫能に与える影響等に関して検討する予定である。
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