研究課題/領域番号 |
06670804
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 千明 九州大学, 医学部, 講師 (30190763)
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研究分担者 |
楠原 浩一 九州大学, 医学部, 助手 (20243941)
日高 靖文 九州大学, 医学部, 助手 (10253410)
岡田 賢司 九州大学, 医学部, 助手 (80224012)
植田 浩司 九州大学, 医学部, 教授 (00038647)
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キーワード | 母子感染 / 血清疫学 / 風疹 / サイトメガロウイルス / トキソプラスマ / 単純ヘルペスウイルス |
研究概要 |
1985〜1990年にかけて沖縄本島、八重山諸島、福岡地方において採取され、教室の冷凍庫に-20℃以下に保存されていた血清検体から地域差を研究するに必要な血清約2,000のリストを選択し、風疹(HI法)、トキソプラスマ(LA法)、サイトメガロウイルス(EIA法)、単純ヘルペスウイルス(PHA法)の抗体を測定した。 風疹では八重山諸島の小児の抗体陽性率が他に比してきわめて低率であった。トキソプラスマ抗体保有率はは逆に八重山諸島で高率であった。サイトメガロウイルスは地域差がなかった。単純ヘルペスウイルスは福岡に比して沖縄、八重山の若年成人の体陽性率が高い傾向にあった。 風疹については、福岡、沖縄本島では既に血清疫学的に差異はなく、風疹ワクチンの効果も明かである。八重山諸島小児の極めて低い抗体陽性率は最近10年間流行がなかったことを反映していると考えられる。 先天性風疹症候群児の最近の出生について、全国聾学校を対象に妊娠中母体に風疹罹患歴のある難聴児の調査を行ない、最近9年間で約300名の先天風疹児の出生が確認できた。 福岡でのトキソプラスマ抗体保有率は従来の日本の報告より極めて低く、疫学の激変を示唆している。また、八重山での比較的高い抗体保有率はなお地域差の存在を示唆している。単純ヘルペスも同様の地域差がみられた。サイトメガロウイルス抗体保有利率には地域差は少ないが、乳幼児の感染に母乳栄養が強く関与している結果を得たので解析を進めたい。
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