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1996 年度 実績報告書

スーパーアンチゲンと慢性炎症性腸疾患-病因と治療への展開-

研究課題

研究課題/領域番号 06670811
研究機関鹿児島大学

研究代表者

武井 修治  鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (60175437)

キーワードスーパー抗原 / SEB / 慢性炎症性腸疾患 / エピトープ / 生体防御
研究概要

スーパー抗原SAとしてブドウ球菌由来のSEB、溶レン菌由来のSPEs(SPE-A,SPE-C)を用いて、液性免疫を中心にSAに対する健康小児の生体防御機構を検討し、慢性炎症性腸疾患患者と比較した。
健康小児の血清中にはSEBおよびSPEsに対する特異的IgG抗体が保有されていた。その特異抗体の保有率は年齢とともに増加したが、その獲得時期は抗原による違いがみられ、抗体保有率が50%を越えたのはSEBで1歳、SPE-Aで11歳、SPE-Cで6歳であった。
これらのSAに対する特異抗体を含む血清は、その抗体量依存性にそれぞれのSAによる免疫活性化を特異的に抑制した。またγグロブリン製剤もこれらの抗体を含有しており、γグロブリン療法後の血清は、補充された抗体量依存性にそれぞれのSAによる免疫活性化を抑制した。またrecombinant SEBを用いた検討から、SEBではエピトープが主にC末端aa225-234にあることが判明した。
慢性炎症性腸疾患患児での検討では、患者は抗SA抗体を保有しており、SAに対する患者T細胞の応答性は健康小児とは差を認めなかったが、対照疾患として用いた川崎病患児血清や患児T細胞は、SAに対して特異的な免疫応答を示した。
以上の結果から、ヒト血清中に存在する特異抗体はスーパー抗原に対する生体防御機構の一つとして生物学的な意義をもつことが判明したが、慢性炎症性腸疾患ではその防御機構の破綻は証明できなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 森浩純: "γ-グロブリン療法が有効であった潰瘍性大腸炎の1例" 小児感染免疫. 6(2). 123-126 (1994)

  • [文献書誌] 武井修治: "川崎病におけるスーパーアンチゲンの関与" 母子健康協会医学助成. 6. 17-18 (1995)

  • [文献書誌] M.Kuwabata: "Age-related occurrence of inhibitay antibates to strep to coccal superantigas." Acta Paediatr Jpn. 38(1). 1-7 (1996)

  • [文献書誌] 西順一郎: "スーパー抗原と臓器障害" 現代医療. 28(増III). 2403-2408 (1996)

  • [文献書誌] J.Nishi: "B cell epitcpe mapping of the baderial superantigen SEB." J.Immunaol. 158. 247-254 (1997)

  • [文献書誌] 武井修治: "小児科の進歩15" 前川喜平・今村栄一, 225 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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