研究課題/領域番号 |
06670814
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
横田 俊平 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10158363)
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研究分担者 |
森 雅亮 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30254204)
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50211686)
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キーワード | EBウイルス / PCR法 / 慢性活動性EBウイルス感染症 |
研究概要 |
小児におけるEBウイルス感染の発症パターンは近年欧米化の傾向がみられ、3歳以下での感染が減少し幼児期後期〜学童期に伝染性単核球症として発症する例が増加している。これに伴い致死性伝染性単核球症、慢性活動性EBV感染症など不幸な転帰をとる例が増加している。早期診断と早期治療が推奨されるがEVウイルスは健常児においても感染後長期にわたりリンパ球内に潜み、感染時の診断確定は容易ではない。そこで(1)超高感度なウイルスゲノム検出法であるPCR法を導入し、かつウイルス転写活性の差から活動期にあるウイルスと潜伏感染を起こしているウイルスとを鑑別できるような検査系を確定する、(2)体内諸臓器におけるEBVゲノムの検出量・頻度により活動性の把握を行う、ことを目指した。最近慢性活動性EBV感染症の1女児例を経験した。この症例について末梢血、骨髄血、胸水中の細胞よりDNAを調整し、IRI-1領域をプライマーとしたPCR法にてウイルス量、検出頻度について検討しウイルス活動性の有無を検討したところ、いずれの検査対象からも高頻度にまた多量のウイルスゲノムが検出され、ウイルス培養の結果や諸抗体の検出パターンからもEBV感染が確定され、早期に診断が確定した例であった。現在EBV関連蛋白のコード領域からプライマー部位を決定しウイルス転写活性の差を検討する研究を行っている。また上記症例につきEBV感染細胞の由来について検討したところ、マクロファージ系細胞への感染細胞であることが確認された。EBVウイルス感染の病態が感染を起こした細胞との関連で異なることが示唆され今後の研究方向に有益な所見であった。
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