研究概要 |
1.血友病犬:血友病A犬との交配を目的に現在2匹の血友病A保因犬を飼育中である。 2.血友病インヒビターイヌモデル測定系の確立:血友病A保因犬および、正常イヌ血漿を用いて、活性化部分トロンボプラスチン時間(PTT)、プロトロンビン時間(PT)、第VIII因子活性などの凝血学的各種測定系を確立し正常範囲を設定した。さらに、イヌインヒビターのインヒビター力価測定系を確立した。 3.イヌインヒビターの免疫学的解析:イヌインヒビターの免疫学的測定系の確立のために、まず、ヒトインヒビターの特異的抗第VIII因子サブクラス測定系を確立した。方法は、純化第VIII因子をプレートに固相化して、インヒビターサンプルを添加後ペルオキシダーゼ標識抗lgG_1,lgG_2,lgG_3およびlgG_4を添加し、比色定量した。測定限界はヒトインヒビターでは0.5〜1.0ベセスダ単位で、lgG_4が優位であった。 4.インヒビター中和ペプチド:インヒビター中和ペプチドの開発を目的にイヌインヒビターと高いホモロジーを有する第VIII因子軽鎖認識各種ヒトインヒビターのエピトープ解析を軽鎖由来リコンビナントフラグメントにより行い、共通エピトープをC2ドメイン内のアミノ酸残基2248-2312に同定した。方法は、各種リコンビナントフラグメント(フラグメントL4:アミノ酸残基1974-2332,および、L4のアミノ末端およびカルボキシ末端を順次除去した変異フラグメントL4.1-L4.18)を電気泳動後、イムノブロット法にて各インヒビターとの反応性を検討した。
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