研究課題/領域番号 |
06670835
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大久保 修 日本大学, 医学部, 助教授 (10168891)
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研究分担者 |
藤田 之彦 日本大学, 医学部, 助手 (00229014)
渕上 達夫 日本大学, 医学部, 助手 (60201753)
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キーワード | P300 / NO-GO Potentia1 / 聴覚運動性誘発電位 / 発達 |
研究概要 |
視覚および聴覚運動性刺激を同時に用いた誘発電位について正常発達の検討を行った。音刺激は一定の音量が聞こえるものとドップラー効果が付いた徐々に音量が増加する2種類を使用する。両刺激ともはじめの音量は62dBであり、増大音は最終78dBになる。視覚刺激は、車が遠くより近づいてくるように感じる刺激を用意し聴覚刺激と同時に行う。刺激の持続時間は、視覚、聴覚刺激とも1000msecとし刺激間隔は3-5secの不規則とする。提示確率は、P300および聴覚運動性誘発電位では1:1、NO-GO Potentialでは1:4とした。聴覚刺激は眼前2mより視覚刺激は、眼前1mより行う。誘導部位は国際10-20法のEpz、Fz、Cz、Pz、Ozである。基準電極は両耳朶連結である。また、増大音が聞こえた時はKEYを押すように指示した。 結果は、以下のごとくである。 P300では、(1)Pz優位にP300を認める。(2)潜時は15歳まで徐々に短縮する。(3)成人では、P300潜時は350msecであり、4歳では、平均650msecであった。(4)画像刺激およびトーンバーストによるP300と本刺激を比較すると全年齢で潜時は延長していた。 NO-GO Potentialでは、(1)key押し反応時間は、30歳まで徐々に短縮する。(2)誘発電位は、P1、N1、P2、N2、P3の5波よりなる。(3)P1、N1、P2は、両刺激で認めるがN2、P3はnon-targetのみに認める。(4)2歳より波形は認める。(5)潜時は、25歳まで徐々に短縮する。(6)P1-N1、P2-N2振幅は、年齢とともに低下する。しかし、N1-P2、N2-P3振幅は、年齢との優位な相関がみられなかった。 聴覚運動性誘発電位では、(1)再現性が良い。(2)等電位図よりFz誘導が適当と考えられた。(3)誘発電位は、3波よりなる。(4)正常成人におけるN1潜時は、約300msecであった。
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