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1996 年度 実績報告書

III型糖原病の臨床遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670836
研究機関日本大学

研究代表者

大和田 操  日本大学, 医学部, 助教授 (40059506)

研究分担者 津田 正彦  日本大学, 医学部, 助手 (20227416)
キーワードIII型糖原病 / debranching enzyme / amylo-1,6-glucosidase / 心筋障害 / 肝不全 / 遺伝子変異
研究概要

肝腫、低血糖、低身長、筋力低下などの症状から糖原病を疑われ、生検筋、肝、赤血球を使用してglycogen debranching enzyme活性を測定し、その活性低下を証明してIII型糖原病と診断した10例の臨床経過を分析するとともに、赤血球を使用した非侵襲的な本症の酵素診断と、末梢白血球を用いた遺伝子解析について検討した。
従来、本症はI型糖原病に比べて軽症とされてきたが、幼児から成人に亘る本症10例の経過を分析した結果、肝のみでなく筋にも糖原が蓄積する本症の管理には困難を伴うことが明らかとなった。また、欧米の報告に比べて、成人後に筋力低下、心筋障害、肝不全に陥る症例の頻度が我が国で高いことが示され、これらの症状の進行阻止に食事療法は効果をもたないことが示唆された。また、赤血球を用いてamylo-1,6-glucosidaseを測定する方法、即ち^<14>c-glucoseのグリコーゲンへの取込みを測定する方法を使用すると、大部分の症例で著明な活性低下を認めたが、本法で残存活性を認める例では、血清クレアチニンキナーゼの上昇が軽度であり、III型の長期予後は本症の亜型によって異なることが示唆された。また、白血球を用いたglycogen debranching enzymeの遺伝子解析を2例について行った結果、amylo-1,6-glucosidaseの低下が著しい1例において、正常の遺伝子にみられない変異を認めたが、残存活性を認める1例では、その変異を認めなかった。今後、臨床像と遺伝子変異の関連について検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 大和田操,垂井清一郎,他8名: "肝型糖原病検査における遺伝子組変えグルカゴン(GL-G)の臨床評価" 基礎と臨床. 30(4). 749-762 (1996)

  • [文献書誌] 大和田操,他2名: "シスチン尿症の臨床遺伝学的研究" 日本臨床代謝学会記録. 33. 31 (1996)

  • [文献書誌] 大和田操,他2名: "わが国における小児期発症NIDDMの実態" 小児内科. 28(6). 823-828 (1996)

  • [文献書誌] Tsuda,M,Owada,M,他2名: "A neuly identified exonic mutation of the WT1 gene in a patient with Denys-Drash sundrome." Acta.Raediatr.Jpn.38. 265-266 (1996)

  • [文献書誌] 大和田操,中林啓記,他1名: "診断と治療に苦慮したテトラヒドロビオプテリン欠乏症の1例" 特殊ミルク情報. 32号. 5-7 (1996)

  • [文献書誌] 中林啓記,大和田操,他4名: "糖原病III型におけるグリコーゲン脱分岐酵素の変異" 日本先天代謝異常学会雑誌. 12(2). 270 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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