研究課題/領域番号 |
06670845
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
白幡 聡 産業医科大学, 医学部(小児科学), 教授 (10081712)
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研究分担者 |
有吉 宣明 産業医科大学, 医学部(小児科学), 助手 (40184296)
梶原 康巨 産業医科大学, 医学部(小児科学), 助教授 (00161042)
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キーワード | ビタミンK / 腸内細菌叢 / 抗生剤 / 肝 / NMTT / 新生児 |
研究概要 |
1)ビタミンK欠乏症患者と肝疾患患者ではビタミンKの吸収率の低下が認められた.吸収率の低下は胆汁うっ滞を示す検査所見と相関していたことから胆汁分泌不全が吸収率の低下の主因と考えられたが、ビタミンK欠乏症患者については症例が少なく十分な検討ができなかった。 2)ビタミンKエポキシドの測定系の確立により、肝疾患患者では軽症例でも肝の利用率が低下していることが示された。これらの再利用能は必ずしも従来の肝機能検査成績とは併行しなかった. 3)手術時に採取した18例の生体肝組織の検討では薬剤として投与されたビタミンK_2(MK-4)がかなりの期間、肝組織内に滞留していることを明らかにした。また、同時に実施した研究で術前の経口摂取量が著減していた症例ではビタミンK_2と共にMK-6、MK-7の減少が観察された。 4)全国の新生児医療施設を対象としたアンケート調査で、新生児期のビタミンKの予防投与が普及しているにもかかわらず、100例を越える新生児ビタミンK欠乏症の報告があった。このことはビタミンK利用不全例がかなりいることを示唆しており、今後、基礎的研究と併行して背景調査を実施し、成人ならびに新生児のビタミンKの至適投与方法を検討する予定である。
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