研究課題/領域番号 |
06670845
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
白幡 聡 産業医科大学, 医学部, 教授 (10081712)
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研究分担者 |
宮川 隆之 産業医科大学, 医学部, 助手 (90219733)
梶原 康巨 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00161042)
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キーワード | ビタミンK / 加齢 / 肝 / 原発性肝癌 / PIVKA / 新生児ビタミンK欠乏症 / 乳児ビタミンK欠乏症 |
研究概要 |
1)加齢ならびに小児肝疾患がビタミンK再利用能に及ぼす影響の検討 ビタミンK静脈内投与後の血清中ビタミンKエポキシド/ビタミンK比を測定することにより、間接的ながらビタミンKエポキシド還元酵素活性を測定しうることを我々はすでに報告たが、本年度は小児期の加齢に伴う生理的変動と共に、小児期肝疾患の影響を検討する計画を立てた。しかし、前者については健常小児への負荷試験であることから、本学倫理委員会の許可が得られず、実施できなかった。後者については治療のための投与という意義もあり、許可が得られたが、インフォームド・コンセントが難しく、なお検体を収集中である。 2)切除肝組織中のビタミンK含量の測定成績-癌部と非癌部の比較- これまでの研究の延長として、切除肝組織中のビタミンK含量を測定した。本年度はとくに原発性肝癌でPIVKA-IIが増加する機序を明らかにする目的で、肝癌の手術時に得られた癌部、非癌部の肝組織と血清20組を材料にして、現在ビタミンK含量を測定中である。 3)わが国における新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の現況に関する全国調査結果 平成7年度の全国調査で少なくとも100例を越える新生児ビタミンK欠乏性出血症と8例の乳児ビタミンK欠乏性出血症の報告があったので、これらの症例に関して再度アンケートを送付し、詳細な背景を調査した。その結果、経口哺乳の確立が遅れたためにビタミンK製剤を出生後早期に投与できず、出血を来した例が8割を占め、現行の予防システムを再検討する必要が明らかにされた。
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