研究概要 |
角化性皮膚疾患移植キメラを機能形態学的に検索・確立し、確立された移植キメラを用いてレーザー光力学的療法を行ない、臨床的に応用することを目的として検討してきた。特に移植法について臨床的に応用可能な方法について開発し、有窓移植法と称して新しい移植法を用いてレーザー光力学的療法を行ない検討を行ってきた。 すでに尋常性乾癬については植皮法よりも包埋法の方が生着しやくす、臨床応用し易いことは報告したが、さらに今回、有窓法は包埋法よりも臨床応用し易く、開発した有窓移植法を用いてレーザー光力学的療法を行ない、増殖と分化の面から検討している。有窓移植法を行った尋常性乾癬の所見については「ヌードマウス有窓移植法を行った尋常性乾癬病巣皮膚の超微細構造」(第10回日本乾癬学会,1995.9.29.)と題して報告している。有窓移植法を行った尋常性乾癬病巣皮膚を用いてレーザー光力学的療法を実施しているが、結果についてはさらに検討して報告したい。その他、尋常性疣贅については本方法は有効である可能性があるため、検討を続けている。 角化性腫瘍については移植キメラの機能形態学的に確立し、公刊してきた。すでに実験皮膚腫瘍を用いてレーザー光力学療法を行ない、その結果については公刊してきたが、臨床材料を用いて本方法を行ない、「ヌードマウス移植汗器官癌ならびに光力学的作用後の癌細胞の超微細構造」(第22回日本電顕皮膚生物学会,1995.8.18.)と題して報告している。この研究ではさらに経時的に検討を続けており、公刊する予定である。 また、一方では光力学的療法に用いる新しい光増感剤についての検討、とくにフタロサイアニンのみならず5-アミノルブリン酸塩酸塩の作用についても活性酸素の面から検討を進めている。
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