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1995 年度 実績報告書

アトピー性皮膚炎におけるサイトカインの発現パターン

研究課題

研究課題/領域番号 06670870
研究機関長崎大学

研究代表者

田中 洋一  長崎大学, 医学部, 講師 (20231417)

研究分担者 山本 憲嗣  長崎大学, 医学部, 助手 (90240093)
キーワードアトピー性皮膚炎 / Th1 / Th2 / ダニパッチテスト / in situ hybridization
研究概要

当初の計画に従い、アトピー性皮膚炎(AD)患者5例よりinformed consentを得て、急性の皮疹部より生検し、interleukin-4(IL-4)、interferon-γ(IFN-γ)のin situ hybridizaion(ISH)、免疫染色(alkaline phosphatase anti-alkaline phosphatase(APAAP)法)を行った。ISHでは全例で両サイトカインのmRNA陽性細胞が、主に真皮のリンパ球の細胞集団内に認められた。400倍率の1視野(HPF)において5例の平均IL-4 mRNA陽性細胞数、IFN-γ mRNA陽性細胞数はそれぞれ2.4±1.1、14.0±6.7で有意にIFN-γ mRNA陽性細胞の増加を認めた(p<0.05)。免疫染色においても両サイトカインの陽性細胞を認め、mRNAのtranslationを確認した。平均IL-4陽性細胞数、IFN-γ陽性細胞数はそれぞれ1.8±1.2、6.3±2.8/HPFでmRNA陽性細胞と同様に有意にIFN-γ陽性細胞を多数認めた(p<0.05)。以上の結果より、ADの皮疹部においてtype 1 helper T cell(Th1)、Th2両方のサイトカインの発現がみられ、むしろTh1のサイトカインの方がmRNA、タンパクの陽性細胞数において優位であった。
次にAD1例にダニ抗原のパッチテストを行い、6、12、24、48時間後に生検し、以上のサイトカインについてmRNAとタンパクの発現の時間的経過を同様な方法で検討した。両サイトカインとも経時的にmRNA、タンパク陽性細胞は増加する傾向がみられた。全経過中、IFN-γのmRNA、タンパク発現がIL-4に比し、優位であった。
以上の結果よりADにおいてTh1、Th2両方が関与し、その発現の経過も並行していることが考えられ、それがADの複雑な病態を形成する可能性が示唆された。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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