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1994 年度 実績報告書

ヒト毛組織における男性ホルモン作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06670872
研究機関大分医科大学

研究代表者

板見 智  大分医科大学, 医学部, 助教授 (30136791)

研究分担者 高安 進  大分医科大学, 医学部, 教授 (20028468)
園田 忠重  大分医科大学, 医学部, 助手 (80244169)
キーワード毛 / 毛乳頭細胞 / 男性ホルモン / 5α-リダクターゼ / 男性ホルモン受容体
研究概要

ヒトの毛の発育の男性ホルモン感受性の違いを分子レベルで解析するために毛組織の上皮系、間葉系それぞれの細胞を培養し、男性ホルモンレセプター、5α-リダクターゼについて蛋白レベル、mRNAレベルで解析した。手術時に得た皮膚より手術顕微鏡下に頭髪、髭、腋毛等の外毛根鞘、毛乳頭を単離し継代数4-6代に達した細胞を実験に用いた。髭毛乳頭細胞は至適pHが5.5に認められるII型の5α-リダクターゼ活性を示したが、腋毛、男性型脱毛の前頭部毛より培養した毛乳頭細胞はいずれもpH6-9に5α-リダクターゼ活性を示し、いわゆるI型の5α-リダクターゼであると考えられた。I型、II型それぞれの5α-リダクターゼのmRNAの発現をRT-PCR法で調べたところ、I型5α-リダクターゼのmRNAはすべての外毛根鞘、毛乳頭細胞に認められたが、腋毛で最も強く発現していた。II型の5α-リダクターゼは髭で強く発現していた。
一方、男性ホルモン受容体に対するポリクローナル抗体を用いた免疫組織染色では、いずれの部位より得た毛包においても上皮系の細胞は陽性所見を示さず男性ホルモン受容体は毛乳頭細胞に局在していた。後頭部毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体は認められなかった。男性ホルモン受容体mRNAの発現は、腋毛の毛乳頭細胞で最も強く後頭部毛乳頭細胞ではわずかに認めるのみであった。以上の知見より腋毛、男性型脱毛の前頭部毛より培養した毛乳頭細胞は髭毛乳頭細胞とは異なりII型の5α-リダクターゼは有しないものと推測される。しかしながら数代の継代を経ておりII型の5α-リダクターゼの発現が抑制された可能性も考えられ現在検討中である。毛乳頭細胞の分泌する男性ホルモン依存性の毛包上皮系細胞増殖因子に関しては、in vitroで毛の発育作用が報告されているHGF,IGF等についてmRNAの発現を検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 板見 智: "Mechanism of action of androgen in hair follicles" Journal of Dermatological Science. 7. s98-s103 (1994)

  • [文献書誌] 板見 智: "Interaction between dermal papilla cells and follicular epithelial cells in vitro" British Journal of Dermatology. (in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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