研究概要 |
(1)新生児エリテマトーデス(NLE)児 14名(皮膚症状 10,先天性心ブロック 3,血球減少 1,肝障害 3),先天性心奇形 1,周産期死亡 1,および正常児 5名の母児の血清を材料とし、60-kd-および52-kd-recombinant SSAペプチドを固相化したELISA法により、母児の抗SSA抗体のエピトープ分析を行った。その結果,新生児の諸症状と,経胎盤的に新生児に移行する母親の抗SSA抗体の認識する抗原エピトープとの間に明らかな相関はないことが明らかになった。 (2)上記の結果から,NLEの発症に他の要因も関与している可能性を考え,母児血清中の抗カルジオライピン抗体(aCL)を検索したところ,母親血清中のcofactor依存性aCLは,新生児の重症の臓器障害および母親の抗燐脂質抗体症候群発症を予知するマーカーとなり得る可能性を示唆するデータが得られつつある。
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