研究概要 |
(1)新生児エリテマトーデス(NLE)児14名(皮膚症状10,先天性心ブロック3,血球減少1,肝障害3).先天性心奇形1,周産期死亡1,および正常児5名の母児の血清を材料とし,60kd-Ro/SSA,52kd-Ro/SSAおよび48kd-La/SSB recombinantペプチドを固相化したELISA法により,母児の抗SSA抗体のエピトープ分析を行った.その結果,新生児の諸症状と,経胎盤的に新生児に移行する母親の抗SSA抗体の認識する抗原エピトープのパターンと間に明らかな相関はないことが明らかになった(Autoimmunity 1995;21:277-282)。 (2)先天性心ブロック児を出産した母親の血清は,52kd-Ro/SSA,48kd-La/SSBに対する反応性が有意に高値であった。 (3)NLEの発症に他の要因も関与している可能性を考え,母児血清中の抗カルジオライピン抗体(aCL)を検索したところ,母児血清中のcofactor依存性aCLは,新生児の重症の臓器障害および母親の抗燐脂質抗体症候群発症を予知するマーカーとなり得る可能性が示唆された。 (4)抗Ro/SSA抗体陽性例の臨床経過を検討中に興味ある知見が得られた。 (Br J Dermatol 1995;133:779-782) (Br J Dermatol 1996;in press)
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