研究課題/領域番号 |
06670889
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
籏持 淳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90172923)
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研究分担者 |
長橋 美江 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40258231)
愛甲 隆昭 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30258230)
渡辺 圭介 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80268606)
植木 宏明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30069017)
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キーワード | 皮膚線維症 / α_1(I)コラーゲン / 遺伝子 / 転写 / TNF-α / DNA結合因子 |
研究概要 |
正常な真皮が保たれるためには、コラーゲンをはじめとする結合織の発現調節が正確になされる必要がある。皮膚線維症ではコラーゲンをはじめとする結合織の過剰な沈着が認められる。コラーゲンの過剰な沈着をきたす最も重要なメカニズムはI型コラーゲンの過剰な産生であり、これらの疾患においてもそれがI型コラーゲン遺伝子の転写レベルでの過剰産生によることが明らかにされている。我々はこれまでにその転写を調節する因子として、マウスの系でCBF、NF-1、ColF1などを同定し、その転写のメカニズムを徐々に明らかにしてきた。TNF-αはα_1(I)コラーゲンの発現を転写レベルで減少させることが知られているので、それをモデルシステムとして用い、転写の解析を行った。我々は、2.3kbpのヒトα_1(I)コラーゲンプロモーター遺伝子をCAT発現ベクターに結合したプラスミドを作成し、ヒト線維芽細胞にtransfectionして、TNF-α(1ng/ml)処理することによるCAT活性の変化を検討した。プロモーターを-2.3kbから-107bpまで削ったdeletion analysisによっても、TNF-αによるCAT活性の抑制がいぜん見られた。この領域での種々の点変異プラスミドを作成し解析した結果、-48から-33の領域にmutationを加えたプラスミドをtransfectionしてもTNF-αによるCAT活性の抑制は見られなかった。少なくともここの領域はTNF-αによるα_1(I)コラーゲンの遺伝子発現の抑制に関与していると思われる。gel mobility shift assayの結果においても、その部分に特異的に結合する因子の存在を明らかにしたので、現在それを解析中である。
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