研究概要 |
ヒト好酸球CD32発現の検討 CD16, anti-mouse IgG sheep IgG-coated PMMA particlesおよびNycodenzを用いた好酸球純化法を確立した(J. Dermatol sci: 10: 118-129, 1995; Kurume Med J: 42: 95-106, 1995; J Dermatol: 00: in press, 1996)。それら論文の中で、健常ヒト好酸球に比較して、アトピー性皮膚炎(AD)患者の好酸球はCD32の発現が高まっており、その発現率は末梢血で誘導された活性型低比重好酸球出現率とは相関せず、末梢血好酸球数に相関して有意に増加したことから、CD32の発現は骨髄内で制御されている可能性があることを報告した。CD32発現率の低い健常ヒト由来の成熟好酸球を用いたin vitroの実験に於て、eosinophilopoietic cytokinesは好酸球の活性化を惹起するが(Kurume Med J: 42: 187-198, 1995; J Dermatol: to be published)、CD32発現を誘導増強するという実験結果は今まで得られておらず、このこともまた好酸球のCD32発現が骨髄内で制御されている可能性を肯定するものであると思われる。 血清house dust mite antigen (HDM)-specific antibodiesの検討 HDM-coated PMMA particles、FITC-conjugated anti-human γ-gl mouse IgGおよびFACS analyzerを用いた半定量法で、AD患者血清中にはHDM-specific IgEおよびIgGが存在し、IgG-HDM免疫複合体のみが好酸球を活性化することを報告した(J Dermatol: to be published)。peroxidase+luminol+H202を用いたHDM-specific IgG subclassの定量法を確立し、10例のAD患者血清を用いて測定した結果ではIgG1とIgG3が臨床症状に相関して増加することを確認している。今後症例を増やして報告する予定である。
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