研究概要 |
ヒト好酸球CD32発現の検討 アトピー性皮膚炎患者の好酸球はCD32の発現が高まっており、その発現率は末梢血で誘導された活性型低比重好酸球出現率とは相関せず、末梢血好酸球数に相関して有意に増加することを明らかにした。骨髄でのeosinophilo-piesisは3つのサイトカイン(IL-3,IL-5,GM-CSF)で制御されることから、CD32の発現に同サイトカインが関与することが推定された。アトピー性皮膚炎患者の血清中のサイトカイン濃度は測定限界闘値以下であること、さらにCD32発現率の低い健常ヒト由来の成熟好酸球を用いたin vitroの実験に於て、3つのサイトカインは成熟好酸球のCD32発現を惹起しなかったことから、好酸球のCD32発現の増強は好酸球が未熟な段階、すなわち骨髄内で制御されていると結論した。 血清house dust mite antigen(HDM)-specific antibodiesの検討 HDM-coated PMMA particles、FITC-conjugated anti-human γ-gl mouse IgGおよびFACS analyzerを用いた半定量法で、アトピー性皮膚炎患者血清中にはHDM-specific IgGが存在し、IgG-HDM免疫複合体のみが好酸球を活性化することを報告した。HDM-coated PMMA particle,anti-human IgG subclass mouse IgG,anti-mouse IgG rabbit peroxidase-conjugated IgG、H_2O_2を用いた化学発光によるHDM-specific IgG subclassの定量法を確立した。アトピー性皮膚炎患者血清中のIgG subclassの定量を行った結果、重症度に相関して増加するする抗体はIgG1とIgG3であった。これら抗体は強い好酸球活性化作用を有していた。
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