1.本年度の実績 MR fluoroscopyの臨床応用に関し、耳鼻咽喉科領域および整形外科領域の臨床例若干名でそれぞれ口腔、咽頭、喉頭ならびに脊椎において撮像の可能であることを確認した。さらに本法のMR血管造影(MRアンギオグラプィー)への応用の可能性を考え、数名のボランティアにおいて頚部ならびに頭蓋内同脈の描出を試みた。これに関しては、撮像のパラメータを種々変更して行ってみたが、一般に臨床で用いられている撮像法を上回る画像は得られないという印象を持った。さらに本法をいわゆる脳のfunctional imaging(機能イメージング)に用いることが可能ではないかと考え、ボランティアを用い、運動負荷(例えば指や口唇の運動を行わせるなど)を行って脳のfluoroscopyを行ったところ、運動領近傍の恐らく脳表静脈と思われる血管の信号が負荷時に明らかな上昇を示すことを確認し、現在さらにこれを追跡確認中である。 2.今後の方針 上述したような本法の脳のfunctional imaging(機能イメージング)への応用の可能性という当初予想していなかった極めて興味深い展開により、研究計画を若干変更し、当面この点について研究発表を考慮しており、さらに他の脳機能の描出などの点でも検討を加えて行く予定である。
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