研究課題/領域番号 |
06670937
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
杉野 吉則 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50118957)
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研究分担者 |
藤沢 裕久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60199312)
今井 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70138113)
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キーワード | 消化管X線検査 / デジタル・ラジオグラフィ / イメージ・インテンシファイア / 画像処理 / 画像解析 / 早期癌 / 微細粘膜像 / X線拡大撮影法 |
研究概要 |
臨床症例およびファントームを用いた基礎実験で、従来のフィルム一増感紙を用いた撮影系(以下、CFSS)と撮像管カメラを用いたデジタル・ラジオグラフィ(DR)装置(以下、撮像管DR)およびCCD-TVカメラを用いたDR装置(以下、CCD-DR)との比較を行った。DRは、濃度分解能ではCFSSよりも優れていたが、空間分解能では未だ僅かに劣っていた。そこで、空間分解能を向上させるために開発したDRによるX線拡大撮影法によって、CFSSに遜色ない微細所見の描出能が得られるようになった。とくに、臨床例では、撮影した画像がすぐに見れるというDRの機能で、撮影の失敗がほとんどなくなり、またDRで画像処理をすることによって、病変が分かりやすく描出できるようになったので、X線診断能が向上した。しかし、さらに空間分解能を向上させることと、DR画像に特有のノイズによる画像のざらつきをなくすことが必要と考えられ、次年度にX線拡大撮影法での管球-被写体、被写体-II間距離の再検討、DRに適したグリッドや撮影条件の選択について、ファントームを用いて実験する。 臓器別には、食道ではCFSSに比べて撮影時間が短くなるので、写真のブレが少なくなり、また、連続撮影によって撮影タイミングをはずすことが少なくなった。しかし、微細な陰影の描出ではCFSSに劣っており、それが空間分解能によるものか、画像処理で解消できるのか、次年度中に解明したい。さらに、食道は心拍動の影響で写真がブレることが多いため、心電図と同期させる撮影法のプログラムやソフトの検討を開始した。胃および大腸では、空間フィルタや階調処理の改善が必要と考えられたので、現在検討中である。画像解析については、多数の早期癌症例のDR画像を収集できたので、過去にCFSSで撮影した画像をDigitizerでデジタル化したものを加えて、質的診断が可能か検討を始めている。
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