研究課題/領域番号 |
06670937
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
杉野 吉則 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50118957)
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研究分担者 |
藤沢 裕久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60199312)
今井 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70138113)
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キーワード | 消化管X線診断 / デジタル・ラジオグラフィ / イメージ・インテンシファイア / 画像処理 / 早期癌 / 散乱X線除去グリンド / 空間周波数強調 / CCD・DR |
研究概要 |
1. DR装置が検討:当初、CCDを用いたDRは従来の撮像管のDR (tube-DR)と画質が異質で読撮しづらかったが、増感紙・フィルム系(CFSS)で撮影した画像を分析して画像処理法や散乱線処理フィルタを開発した結果、CFSSやtube-DRに遣い画像がえられるようになった。DR撮影に用いる散乱X線除去グリッドとしては、10:1で透過性のよい中間物質を用いたものが有効であり、またair-gap法では十分に散乱線が除去できないことが分かった。 2.画像処理について:消化管の微細病変をよく描出する周波数強調としては、7 inchのIIを用いた場合、強調する周波数のpeakを20 lp/cm前後、強調の度合いを軽度から中等度に設定するのがよいことが分かった。 3.連続撮影について:上部食道では秒間6フレーム以上必要であり、下部では秒間2-3フレームで十分である。ただし、下部では撮影時間が20 msec以下でも心拍動によってブレを生じることがあり、心電図と連動した撮影が必要と考えられた。 4. DRを用いた検査法について:DRの利点であるリアルタイムの画像表示を検査に組み込むことによって小病変の発見が増加した。具体的には、大腸検査で大口径のII (12インチ)で撮影し、その画像をみて病変を探したり腸管の走向を把握すると、無駄な透視時間が減少し患者への被曝が少なくなるとともに、検査中に小病変が発見できるので、さらに詳細に病変を描出することによって診断能が向上すると考えられた。 5.コンピュータ支援診断(CAD)について:消化管造影の所見は多彩なので、画像を解析することは困難であるが、その中で、食道の辺縁像の変化からの病変の拾い上げと、大腸表面型病変での過形成性ポリ-プと腺腫・早期癌との鑑別、の2点でCADの可能性が窺われ、現在検討中である。
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