研究課題/領域番号 |
06670939
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
川上 憲司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10056814)
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研究分担者 |
吉沢 幸夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119862)
牧野 元治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師
望月 幸夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10056533)
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キーワード | 換気分布 / 肺上皮透過性 / ^<99m>Tc-パーテクネガス / ^<99m>TcO_4^-エロゾル / ^<99m>Tc-DTPA |
研究概要 |
現有のテクネガス発生装置内の100%Ar環境を97%Arと3%O_2の混合ガスで置換することにより^<99m>Tc-パーテクネガス(P-gas)を産生した。P-gasをミリポアフィルタに採取し生食水への移行率を測定した結果、水溶液であった。また、ラジオクロマトグラフィで計測した結果、^<99m>TcO_4^-と同様の挙動を示した。^<99m>Tc-DTPAを「るつぼ」内に入れて産生したD-gasも同様の操作で検討した結果、^<99m>TcとO_4^-と同じ挙動を示した。この結果、D-gasは^<99m>Tc-DTPAが、2500℃で燃焼した際に^<99m>TcとDTPAが遊離したものと考えられる。正常ボランティア(10名)について、P-gasと^<99m>TcO_4^-をネブライザでエロゾル化した^<99m>TcO_4^-エロゾルを吸入させその分布、肺内クリアランスを測定した。その結果、P-gasの分布がより末梢まで到達しており、hot spotの形成も少なく、排気分布を観察するのに有用であった。肺よりのクリアランスは、両薬剤ではほぼ同じであったが、hot spotの影響の少ないP-gasでわずかに速い傾向にあった。 D-gasと^<99m>Tc-DTPAエロゾルのT1/2を比較した結果ではD-gasがP-gasとほぼ同じであったのに対し、^<99m>Tc-DTPAエロゾルは60分前後と有意に遅く、両者の間に差がみられた。 肺線維症では安定期には促進していたが、活動期には逆に遅延していた。これはP-gasが活動期にはP-gasが間質に取り込まれていたためと考えられる。肺塞栓症では塞栓部でP-gasのクリアランスが亢進していた。これらの結果よりP-gasは肺換気分布と肺上皮透過性の評価に有用と考えられた。しかしD-gasの有用性は小さいと考えられた。
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