1、インフォームコンセントの得られた精神分裂病患者2例からそれぞれ採取した脳脊髄液を添加し継代培養を行った神経芽腫細胞株RT‐BM‐1とコントロールとした無添加の細胞株を用いて、増殖能に関して、倍加時間、最高増殖密度の比較、及び、神経分化能に関して、レチノイン酸処理後、形態学的変化の観察と樹状突起に特異的なMAP2に対するモノクローナル抗体を用いたWestern blottingによる定量的比較を行ったが、ともに有意差は検出されなかった。 2、我々は分裂病の実験モデルとしてPhencyclidine(PCP)投与動物及び培養細胞を用いた研究に変更し、PCPによってmRNA発現の変化が誘導される遺伝子cDNAのクローニングを進めている。すでに、我々は核内転写因子であるマウスmxil遺伝子のクローニングを行い(Shimizu et al.1995)、その神経分化に伴うmRNA発現の上昇を確認した。
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