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1994 年度 実績報告書

アルツハイマー型老年痴呆の初期診断における画像解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670954
研究機関東京大学

研究代表者

松下 正明  東京大学, 医学部(病), 教授 (70090404)

研究分担者 百瀬 敏光  東京大学, 医学部(病), 助手 (20219992)
斉藤 正彦  東京大学, 医学部(病), 講師 (30235072)
佐野 威和雄  東京大学, 医学部(病), 助手 (00251281)
キーワードアルツハイマー型老年痴呆 / 初期診断 / 局所脳血流量 / 眼球運動 / 課題賦活
研究概要

記銘力低下、易疲労感、集中力の低下などの不定愁訴を主訴とし、アルツハイマー型老年痴呆の初期と診断された65歳以上の老人8名(痴呆群)と対照として性、年齢を合わせた健常老人8名(対照群)に対して、安静時の局所脳血流量および、課題遂行時の局所脳血流量を測定した。測定に先立ち、検査の趣旨や内容を口頭および書面で説明し、本人および家族(保護者とみなせる人)から書面による同意を得た。測定は、H_2^<15>Oを用いたポジトロン・エミッション・トモグラフィ(PET)を用い、局所脳血流量の測定は、同一被検者に対し6回反復して行い、1回目と6回目に安静覚醒時を測定し2回目から5回目に課題負荷時の脳血流量を測定した。賦活課題としては、自発的に水平眼球運動を一定時間行う課題を用いた。【結果】安静覚醒時の脳血流は、対照群で加齢に伴い減少していた。部位による特異的分布は認めなかった。痴呆群でも同様の傾向が認められた。血流の減少に関しては対照群と痴呆群では有意な差を認めなかった。眼球運動課題については、対照群で安静時に比較し前頭葉眼野の脳血流が20%程度血流が増加していたのに対し、痴呆群では同様の部位が血流増加を示すものの、その程度は、統計的有意差は認めないが10ないし15%でやや低い傾向が認められた。【考察】自発的な眼球運動課題は、指示が容易であるとともに多少知的機能に低下を認める被検者においても容易に理解できる課題である。今回のプレリミナリーな検討では、この課題が比較的軽症のアルツハイマー型老年痴呆患者においてもある程度の血流増加率の減少を認めることが示された。このことから、自発的眼球運動課題における脳血流量の測定は痴呆の初期を診断する上で有用な指標と成りうることが示された。
なお、先に予定していたドーパミンD_2受容体の加齢の影響に関する測定については、単年度の研究となったため今回は施行できなかった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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