研究課題/領域番号 |
06670964
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
牛島 逸子 山口大学, 医学部, 助手 (30168679)
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研究分担者 |
山田 通夫 山口大学, 医学部, 教授 (00034942)
水木 泰 山口大学, 医学部, 助教授 (00080721)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | コカイン / メタンフェタミン / 反復投与 / SCH23390-カタレプシ- / Haroperidol-カタレプシ- / 薬物離脱 / 百日咳毒素 / Gi-蛋白ADP-リボシル化 |
研究概要 |
CocaineおよびMethamphetamineのようなドーパミン刺激薬の反復投与離脱時初期(1-7日)にD_1受容体遮断薬のSCH23390によるマウスのカタレプシ-の反応は減弱(D_1受容体の感受性は増強)し、D_2受容体遮断薬のHaloperidolによるそれは増強(D_2受容体の感受性は減弱)した。離脱後期(14-21日)にはSCH23390カタレプシ-は逆に増強した。また、反復投与量の増加およびその期間の延長に従って後期のSCH23390カタレプシ-の増強効果は強力であった。これらの薬物の離脱所期に見られるSCH23390カタレプシ-の減弱はMethamphetamine反復投与の方が、また離脱後期の増強効果はCocaineによる方が強力であった。したがって,間接的ドーパミン刺激薬の反復投与によって生ずる逆耐性現象がカタレプシ-反応(抑制作用)の抑制に対応するならば、逆耐性現象は主にD_1受容体の活動を介して発現することが考えられる。SCH23390カタレプシ-の減弱およびHaloperidolカタレプシ-の増強がSCH23390あるいはHaloperidolの同時併用投与によっていずれも回復されたことから副作用(tardive dyskinesiaなど)の少ない抗精神病薬としてD_1受容体遮断薬を使用に供することが出来るかもしれない。しかしながら、後期に見られるSCH23390およびHaloperidolカタレプシ-の増強をいずれも悪化させた。 また、Gi-蛋白質を百日咳毒素によってADP-リボシル化した場合、両者のカタレプシ-反応を共に延長した。したがって、D_2受容体の感受性の低下とは関連するようであるがD_1受容体の興奮には関与しないから、離脱初期の逆耐現象には特にGi-蛋白質のADPリボシル化の関与は考えられない。後期に見られるD_1受容体の感受性の増強に関与する可能性があるかも知れないので更なる研究が必要である。
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