研究課題/領域番号 |
06670967
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
森 則夫 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00174376)
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研究分担者 |
中川 公一 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00244393)
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キーワード | 遅発性ジスキネジア / 鉄イオン / 活性酸素 / 脂質過酸化反応産物 / ハロペリドール / ヒドロキシ・ラジカル / Fenton反応 / 線条体 |
研究概要 |
過酸化水素と鉄イオンが接触すると、ヒドロキシ・ラジカルが発生する。(Fenton反応)。このヒドロキシ・ラジカルはもっとも強い神経毒性をもつ活性酸素で、神経細胞の機能と形態に重大な傷害をもたらす。このようなメカニズムが遅発性ジスキネジアの発症に関与している可能性がある(遅発性ジスキネジアの活性酸素仮説)。本研究はこの仮説を検証するため、ハロペリドールをラットに慢性投与し、線条体と前頭皮質の過酸化水素と鉄イオンの挙動を検討し、脂質過酸化反応産物の変化を調べた。その結果は次のようであった。 (1)ハロペリドールを2週間与えた後に2価と3価の鉄イオンと過酸化反応産物の変化について検討した。鉄イオンは電子スピン共鳴法で、過酸化反応産物はチオバルビタール酸法で測定した。2価と3価の鉄イオン濃度は、線条体と前頭皮質のいずれでも明かな変化はなかった。過酸化反応産物にも、いずれの部位でも明かな変化はなかった。 (2)一方、ハロペリドールを2か月間与えた後に過酸化反応産物の変化を測定したところ、前頭皮質で有意な上昇が観察された。しかし、線条体では明らかな変化は認められなかった。 (3)過酸化水素に選択的に応答する電極を作製し、線条体に挿入し、ハロペリドールを投与した時の過酸化水素濃度の推移を調べた。過酸化水素濃度はハロペリドールの投与用量に依存して有意に上昇した。 以上のことから、ハロペリドールは脳の膜脂質の過酸化反応を惹起すること、そして、それには過酸化水素の過剰生成が関与していることが示唆された。
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