研究課題/領域番号 |
06670972
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
玉井 洋一 北里大学, 医学部, 教授 (80050441)
|
研究分担者 |
田口 文章 北里大学, 衛生学部, 教授 (40050455)
三浦 貞則 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70050383)
大谷 義夫 北里大学, 医学部, 講師 (40095500)
中村 和生 北里大学, 医学部, 助手 (40189030)
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 講師 (90118810)
|
キーワード | クロイツフェルト・ヤコブ病 / サイトカイン / 腫瘍壊死因子 / TNF |
研究概要 |
最近、サイトカインの一種である腫瘍壊死因子(TNF-α)を正常マウスの眼球内に摂取すると、クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)類似の病変が視神経細胞に認められることから、CJDの発症機序にTNFが関わっている可能性が示唆されている。われわれは北里大学病院入院中のCJD患者血清中のTNF活性、末梢血単球でのTNF-α特異的mRNAの発現を調べると共にCJD北里1株を接種したNZWマウスより経時的に血清、腹腔貧食細胞(PEM)を採取し、血清中のTNF活性、PEMの細菌内毒素(LPS)反応性を調べた。 CJD患者でのTNF産生とmRNAの発現:CJD患者3名と各種神経疾患患者12名の血清中のTNE活性を測定した。その結果、CJD患者2名から明らかに高いTNF活性が検出された。CJD患者1名と神経疾患患者12名の血清からはTNF活性は検出されなかった。末梢血単球のTNF-α特異的nRNAは3名のCJD患者で発現していることが分かった。TNF活性の検出されなかったCJD患者はTNFインヒビターが血清中に存在していることが分かった。 CJD疾患モデルマウスのTNF産生:CJD株接種のNZWマウスについて接種後60日目、90日目、110日目、125日目の血清中のTNF活性を調べたが、検出されなかった。in vitroでPEMを培養し、LPSで刺激した場合の培養上清中のTNF活性を比較すると正常マウスより感染マウスの方が常に低かった。 CJD患者から得られた結果はTNFが発症機序に関与する可能性を示唆している。しかし、モデル動物での知見とは一致しなかった。現在、実験のプロトコールを見直して再実験を進めている。
|