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1996 年度 実績報告書

記憶過程での一酸化窒素の役割に関する研究-アルツハイマー型痴呆脳の検討を通して-

研究課題

研究課題/領域番号 06670975
研究機関順天堂大学

研究代表者

新井 平伊  順天堂大学, 医学部, 講師 (50167988)

研究分担者 木村 通宏  順天堂大学, 医学部, 助手 (50234381)
高橋 正  順天堂大学, 医学部, 助手 (30236294)
岩本 典彦  順天堂大学, 医学部, 講師 (60211067)
キーワード記憶 / 一酸化窒素 / アルツハイマー型痴呆
研究概要

本研究は、ヒト剖検脳とくにアルツハイマー型痴呆患者死後脳において一酸化窒素合成酵素(NOS)系の代謝や分布を検討することによって、記憶のメカニズムの解明を目指すとともに、アルツハイマー型痴呆の病態の理解を深めることを目的としている。最終年度にあたる平成8年度は、これまでに得たNOS免疫活性に関する神経病理学的所見およびそれに関する生化学的所見を解釈するために、遺伝子レベルの異常に関する仮説を設定して分子生物学的検討を加えた。つまり、NOSをコードする遺伝子領域に対応するオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、エクソン領域をPCRにて増幅し、single stranded conformation polymorphism(SSCP)を行うことによって、いまだ明らかになっていないNOS領域の点突然変異や多型の有無を検討した。今回は、エクソン2および13、14についてのみ検討が可能であったが、アルツハイマー型痴呆50例、対象健常者48例のDNAについて検討したこれまでの結果では、これらの遺伝子領域においては点突然変異や多型の確認できなかった。これらのことから、アルツハイマー型痴呆においてグルタミン酸濃度やNOS酵素に何らかの異常をきたしている可能性はこれまでの結果から得られているものの、それらがNOS遺伝子異常の直接的結果から起きている可能性は少なく、またNOS遺伝子がアルツハイマー型痴呆発症の原因遺伝子として働いていること、もしくはこのNOS遺伝子領域付近に別のアルツハイマー型痴呆原因遺伝子が存在するような可能性は少ないことが示唆されたといえる。今後、さらに他のエクソンについても検討を加えていくことが必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nishiyama E: "Serum amyloid P component level in Alzheimer's disease" Dementia. 7. 256-259 (1996)

  • [文献書誌] Iwamoto N: "Distribution of amyloid deposits in the cerebral white matter of the Alzheimer's disease brain : relation to the blood vessels" Acta Neuropathol. (in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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