研究課題/領域番号 |
06670980
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 眞理 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90128140)
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研究分担者 |
今城 俊浩 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50183190)
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キーワード | 神経性食欲不振症 / 心理ストレス / communication box system / 室傍核 / in situ hybridization / corticotropin-releasing factor / microdialysis / noradrenaline |
研究概要 |
平成6年度の検討で、communication box systemで、wistar系雄ラットに1.5mA/secの強度で、randamに2times/minの電撃ショックによる1時間の一日2回、7日間という心理ストレスを与えると、総エサ摂取量と体重増加量はそれぞれコントロール群に比べて有意に抑制され、血糖の低下、血中ACTH、コルチゾールの上昇、行動の変化などは、神経性食欲不振症の病態に類似していた。 この条件で得られた心理ストレス暴露ラットの脳内各部位の神経ペプチドの変化を検討した。7日目の脳各部位のCorticotropin-releasing factor(CRF)は、視床下部のみで有意に増加しており、in situ hybridizationでは室傍核のparvocellular neuronsのCRFmRNAが増加していた。プローブを室傍核に刺入して行ったマイクロダイアリシスでは、noradrenalineの基礎値は1.3±0.4pg/20min(mean±SEM)で、5分の心理ストレスはnoradrenalineの128±19%上昇を引き起こしたが、個体差が大きく、その程度も5分の電撃ショック群の反応より低かった。7日間の心理ストレス暴露後、プローブを挿入し、120分後よりnoradrenalineの測定を開始した。noradrenalineの基礎値の上昇はなく、5分の心理ストレスはnoradrenalineの上昇を引き起こし、desensitizationは認められなかった。 以上の結果より、本研究で使用した条件の慢性の心理ストレスは、性腺機能低下を除いて神経性食欲不振症に類似した病態を引き起こした。また、視床下部では、電撃ショックなどの直接、身体に与えるストレスと同様にCRFやnoradrenalinの分泌亢進を伴った。
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