研究課題/領域番号 |
06670987
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
稲山 靖弘 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20257851)
|
研究分担者 |
堺 俊明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084874)
米田 博 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30140148)
稲田 泰之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268211)
康 純 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40257853)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
キーワード | 感情障害 / 連鎖研究 / 相関研究 / セロトニン受容体 / 染色体異常 / DNAマーカー |
研究概要 |
1)双極性感情障害を認めた84名の症例において、セロトニン1A受容体遺伝子の全塩基配列を検討した。その結果、5'末端より16番目のアミノ酸であるプロリンがロイシンに置換している症例が認められた。正常対照群76名においても、その置換を解析し、あわせて検討したところ、患者群においてプロリン16/ロイシン16のヘテロ接合体の頻度が正常群に比して有意に少なかった。そのことから、感情障害の発症にセロトニン1A受容体のアミノ酸置換が関与している可能性が示唆された。 2)双極性感情障害群83名、正常対照群96名においてセロトニン2A受容体遺伝子のポジション102における塩基置換の頻度を検討した。その結果、頻度において両群間に有意な差は認めなかった。(特記)精神分裂症において同様にセロトニン2A受容体遺伝子の塩基置換の頻度を検討したところ、有意な差がみられた。その後、海外においても追認されている。 3)双極性感情障害68名、正常対照群80名において、アドレナリンα2およびβ2受容体遺伝子の遺伝子多型の頻度を比較検討した。その結果、頻度において有意な差は認められなかった。 4)de novo第9番染色体腕内逆位(q31.2q34.3)が認められた分裂感情障害の一例を経験した。この座位にはドーパミンβ水酸化酵素があり、候補領域となる可能性が考えられた。 5)1996年まで感情障害の分子遺伝学研究において文献的考察を行った。その結果、従来から検討されているX染色体関与は完全に否定できないものであり、セロトニン、ノルアドレナリン系が重要であると考えられた。今後、各受容体の構造異常を統合して検討する必要性があると思われた。
|