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1994 年度 実績報告書

痴呆CJCウイルス-治療の可能性のある痴呆-

研究課題

研究課題/領域番号 06670988
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

森 眞由美  (財)東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 研究員 (50110698)

研究分担者 青木 直人  東京都衛生研究所, 毒性部病理, 科長 (20159289)
野田 孝一  (財)東京都老人総合研究所, 微細構造部門, 研究員 (00073007)
水谷 俊夫  (財)東京都老人総合研究所, 神経病理部門, 室長 (40124416)
キーワード老年者 / 痴呆 / JCウイルス
研究概要

老年者剖検脳200例の髄液をパポバ共通抗原を用いた抗体およびnestedPCR,Southern hybridization法にて検索した。12例に強陽性を認めたが、DNA検索では、すべて陰性であった。抗体強陽性例中80%は痴呆を有してい、そのうちの1例は、原因不明の痴呆と生前診断されていた。JCによる痴呆である可能性がある。また、剖検脳中1例は明きらかな進行性多巣性白質脳症(PML)の像を呈しており、免疫組織化学、PCRにてJCvirus陽性であり、電顕でもウイルスの存在が確認された。この例は、生前特に免疫不全を来たす疾患はなく、我々の主張している加齡に伴う免疫低下のみで発症した例であろう。なを、ヴィンスヴァンガータイプの痴呆と診断されながら、血管病変が明きらかでなかった10例の剖検脳を、PCR法にて調べたが、すべてJC陰性であった。
JCウイルスの感染経路を明きらかにする目的で、血液疾患患者の血液・骨髄を用いてnested PCR法にて検索した。白血病患者で陽性例が存在した。免疫組織化学的に陽性細胞の種類を調べたところ、B cell系の細胞であった。また、剖検AIDS患者脳でJCウイルス陽性例を用い、全身臓器におけるJCウイルス存在部位を検索した。脾で強陽性であり、肝臓でも陽性細胞をみとめた。血液細胞を介して、進展する可能性が示唆された。
今まで使用していた抗体は、パポバウイルス共通のVp1蛋白に対する抗体であり、JCウイルスに特異的なものではなかった。そこで特異性を上げるため、我々で、抗体の作製を行なった。構造解析により検索した抗原となりうるオリゴペプタイドを4種類合成し、これを抗原としてポリクローナル抗体を作製したところ、4種類全てに抗体が得られた。このうち1種類は、JCウイルスにのみ反応する特異性の高い抗体であった。他の3種類は、JC、BKのいずれのウイルスにも反応した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shimada H,Noda K,Mori M,Aoki N,Tajima M,Kato K: "Papovavirus detection by electron microscopy in the brain of an elderly patient without overt progressive multifocal leukoencephe lopathy" Virchow Archiv. 424. 569-572 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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